世田谷の川探検隊

二ヶ領用水の分水たち (2)

川崎領稲毛領、二領を灌漑したことからつけられたこの名前。
この宿河原線は、上流にある上河原堰の2か所で取水されています。

左岸の世田谷領六郷領を灌漑していた六郷用水とあわせて四ヶ領用水とも呼ばれます。

久地円筒分水 川崎堀 根方十三ヶ村堀 川辺六ヶ村掘 久地溝口二子掘

久地円筒分水

用水を正確に分配するため、それまで使われていた分量樋に代わって昭和16年に建造されたのが円筒分水。
※分量樋は、用水完成後100年あまり後に田中休愚によって造られたもの。
当時の最新技術によって各村の耕地面積に応じて公平に分水された4本の水路は、現在でも給水を続けています。
もとの水量が変化しても分配比が変化することのないこの設備は、現在は国の有形文化財に登録されています。


この2本が川辺六ヶ村堀と久地溝口二子堀。水量の異なる分水が各村へ続いています。


こちらは川崎堀(右)と根方十三ヶ村堀(左)への導水路。


最大の分配を受けていた川崎堀は、見るからに圧倒的な水量です。

川崎掘

久地円筒分水で岐けられたうち、もっとも水量の大きい水路。
下流はさらに無数の水路に岐けられ、多摩川下流の右岸全域に給水されていたようです。

根方十三ヶ村掘

久地円筒分水の第2の水量の分水。
名前の通り、下流でさらに分割されて13ヶ村に給水されていたようです。
最長の水路は現在の中原区井田まで至り、水末は矢上川に落とされています。


溝の口駅。

川辺六ヶ村掘

久地円筒分水、第3の水路。

久地溝口二子掘

円筒分水で分けられたうち、もっとも小さな水路。
大部分は暗渠化されていますが、一部では水面を見ることができます。
生活排水が流入するなどしているものの、水末まで流路を辿ることができます。


府中街道付近。飲食店の一角を横断していく暗渠。


水末のひとつだった場所は現在では駐車場。

各地に張り巡らされた水路の網。
いつかこの全域を踏破してみたいものですが、まだまだ先は長そうです。

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